2012年4月30日月曜日

ブログテーマ[バレエ]|うさんぽの小径


ローザンヌの日本人快挙の知らせが舞い踊っていますね!  

熊川哲也さん以来の優勝(「金賞」はもうない)です。 すごいです。

おまけにコンテンポラリーの素晴らしさといったら! 唖然!!です。

並み居る各国審査員がどよめいたのにも頷けます。

これは、本物 です。  

熊川氏も、かつてローザンヌで辛口批評が有名な女史から

「彼に足りないのは(あと少しばかりの「足の長さ」と)劇場からのオファーだけね」 と言わせたけれど、

彼女もまさにそんな感じがしました。(彼女の足の長さは充分ですけどね!)

ほんと、いつオファーがあってもおかしくない。

いえ、すでに手ぐすね引いて待っている劇場支配人はいることでしょう。

そこらのプロのダンサーより、彼女が見たい・・・と思わせることができる久々のスターですね。

将来が楽しみです

※ ローザンヌ公式ホームページは こちら   決戦の様子(動画)は→こちら !!

ローザンヌ国際バレエ、17歳の菅井さん優勝

スイスのローザンヌ国際バレエコンクール第40回大会の決勝が4日行われ、和光高校(東京都町田市)2年の

菅井円加(すがいまどか)さん(17)(佐々木三夏バレエアカデミー所属)が1位になり優勝した。

決勝では古典と現代舞踊を踊り、しなやかで、切れのある表現が評価された。現代舞踊で最高の演技をしたとしてコンテンポラリー賞も同時受賞した。

本紙の取材に対して、菅井さんは「なんでも踊れるダンサーを目指し、海外で活躍できるようになりたい」と

喜びを語った。

15~18歳の男女に参加資格を限る同コンクールは、新進ダンサーの登竜門で、入賞者には世界の名門

バレエ学校への1年間の留学資格と奨学金が与えられる。

これまで最優秀の金賞に輝いた熊川哲也さんをはじめ、吉田都さん、上野水香(みずか)さんらを輩出した。

順位が報じられるようになってから日本人の1位は初めて。

(2012年2月6日 読売新聞)


4日、スイスのローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した菅井円加さんの演技(ロイター)


バレエ新星、情熱の舞…審査員一同「おおっ」

スケールの大きな舞姫が登場した。

バレエダンサーの世界的登竜門・ローザンヌ国際バレエコンクールで1位になった日本の高校2年生・

菅井円加すがいまどかさん(17)は「将来に向けて大きな力になった」と声を弾ませた。

同コンクールが評価するのは未来への可能性。

日本人が苦手とされた現代舞踊でも高い評価を受け、ダイナミックな舞に審査員も称賛の嵐。

専門家らは「自分の良さを伸ばし、大きく育ってほしい」とエールを送った。

 「受賞はこれから踊っていく将来に向けて、大きな力になる。皆さんに感動を与えられるダンサーになりたい」。栄冠から一夜明けた5日、菅井さんは取材に対し、こう気持ちを語った。

コンクールで菅井さんは古典の「ライモンダ」などを披露。

1983年に入賞し、今回、審査員を務めたバレリーナ・吉田都さんは


ナイアガラは、陸の不潔なものを下回る

「すごく質の高い演技だった。特にコンテンポラリー(現代舞踊)では音楽をうまく使い、体のコントロールもダイナミックで、審査員の誰もが『おおっ』とうなりました」と打ち明け、「終わった後、『すごく楽しかった』と話していたのが印象深い。日本人がトップになりうれしいですね」と喜んだ。

入賞者には名門バレエ学校への留学資格が与えられ、菅井さんは英国のバーミンガム・ロイヤル・バレエ団の

付属学校を希望しているという。

(2012年2月6日03時03分 読売新聞)

「優勝の菅井さんは満点」 ローザンヌ国際バレエ

入賞歴持つ審査員の吉田都さん

2012/2/5 19:37

【ローザンヌ(スイス西部)=藤田剛】

40回目となる今年のコンクールには、事前審査を通過した世界19カ国の79人が参加。

日本人は最多の19人を占めた。日の決勝には21人(うち日本人5人)が進出。

菅井さんは技術を要するクラシック、表現力を求められるコンテンポラリーの両部門で高く評価され、

栄冠に輝いた。コンテンポラリー部門の特別賞も受賞した。

菅井さんは神奈川県出身で、東京都内の高校に通う。3歳からバレエを始めた。

佐々木三夏バレエアカデミー所属で、海外遠征は今回が初めて。

入賞者には奨学金と名門バレエ学校に留学する権利が与えられる。菅井さんは英のバーミンガム・ロイヤル・バレエへの留学を希望している。

83年の同コンクールで入賞し、今回は審査員を務めた吉田都さんは「今日の菅井さんの舞台はすばらしく、迷いなく満点を付けた」と語った。

菅井さんは吉田さんを目標にしてきたという。

フランス在住のバレエ研究者は「若手ダンサーは日本を含むアジア勢の台頭が著しく、欧米やロシア勢は押されつつある」と分析していた。


「ローザンヌ国際バレエコンクール」で優勝した菅井円加さん(左)と審査員を務めた吉田都さん

2012-02-03 11:00

ローザンヌ国際バレエコンクール、吉田都「ありのままの自分を出して

里信邦子(さとのぶ くにこ), swissinfo.ch

「コンクールではありのままの自分を出すことが大切なので、自分を解放してあげることだ。ローザンヌはこれからの成長を見る場。今、完璧でなくてもいい」と吉田都(みやこ)氏は強調する。

「第40回ローザンヌ国際バレエコンクール」に審査員として参加し、1週間ハードなスケジュールをこなす吉田氏。若いダンサーへのアドバイス、またフリーとして活躍するようになった経緯や、今後の活動の方向性などを聞いた。

swissinfo.ch : 

ローザンヌの審査員を今年で3回引き受けられました。ぎっしりと詰まったスケジュールで、その上ボランティアです。なぜこんなハードな仕事を引き受けられたのでしょうか。

吉田 : 

人生がここでガラリと変わったからです。

ほかの審査員の方もみなさんそうですが、今自分があるのはここを通過したからで、だからお返しするというか、

引き受けるのが義務だと思っています。

ぜひやらせてくださいという感じのものです。
世界中から審査員だけでなくコーチの方も来ていますが、やはりみなさん特別な思いがローザンヌにはある。
それに、フェアーな素晴らしいコンクールなので、お手伝いしたいと思います。

バレエ界にとっても大切な所です。世界中で活躍しているたくさんのダンサーがここから巣立っていますから。

swissinfo.ch : 

今ここでコンクールに参加している生徒たちにアドバイスをいただけますか?

吉田 : 

ありのままの自分を出すことが大切ですから、自分を解放してあげることです。


このコンクールは、これからの成長を見るものなので、今完璧でなくてもいいのです。

また、ここに来ているだけですごい経験をしている。違う環境、違う劇場の中で世界中から集まった同世代のダンサーたちと稽古をするだけで、ものすごく勉強になる。ですから、いろいろな人たちといるというこの環境を楽しんでほしいですね。

小さな学校から来ている生徒は、たいていはいつも1人の同じ先生に習っていて、先生本人にも、先生の出すエクササイズにも慣れている。

ところがここではいろいろな先生から指導を受けられるという、それも素晴らしい経験です。

swissinfo.ch : 

先ほど、クラシックの練習で、足の動きのパターンが理解できない生徒がいましたね。

吉田 : 

確かに。インターナショナルな学校から来た子はいろいろなパターンに慣れているのですが・・・。

でも、その子が技術的にできないのか、それとも慣れていないからできないのか、というのは見ていて分かるので、

すぐにマイナス評価にはなりません。しかし、やはりきちんとできてアピールできた方がいいですよね。

それと、分からないときは聞いた方がいいです。何回も聞くと聞きづらいのですが、分からないのに聞かないということの方が問題だと思います。

swissinfo.ch : 

技術的な質問です。吉田さんは音楽に合わせるというより、まるで体の中で音楽が鳴っていて、それを自由に使いこなすといった印象を受けるほど、音楽に乗った踊り方をされます。それは先天的なものか、それとも訓練でできるようになるものなのか。もしできるとしたら生徒たちにアドバイスがありますか?

吉田 : 

音楽は大切です。先ほど練習を見ていて音楽を使ってないというか聞いていないというか、そういう子がいましたね。まあ、みんな必死ですから、緊張して音楽が耳に入ってないのかもしれない。

しかし(将来)舞台をやるとなったら、それこそ自分の中から音楽が出てくる位に体の中に入っていないとだめですよね。そうでないと体が解放されないと思います。

swissinfo.ch : 

吉田さんの場合、どうやって体の中に音楽を入れられるのですか?

吉田 : 

とにかく音楽をいやというほど聞きますね。新しい曲の場合は、特に音だけを何度も聞きますね。

でもリハーサルのときに何度も聞きますから、それでも音楽に合わない生徒というのは、問題があります。
中には、多少音楽に遅れてもいいから回転を終わらせてその技術を見たいという人もいるかもしれませんが、

わたしは音楽に遅れる位回っているよりは、1回ぐらい回転が減っても音楽と共に終わらせてくれないと、

見ていて気持ちが悪く感じる方です。
自分では、一つのフレーズの中で(はじめに)長めに使って動きをやり、遅れた分をその後早めて最後はきちんと合わせて、というのはやります。

それが強弱を生み出すし、見ていても面白いと思います。

機械みたいにいつもカウントで踊ってもそれは面白くないですから。

一つのフレーズの中で音楽と遊ぶような感じです。

swissinfo.ch : 

最後に、現在フリーで活躍されていますが、フリーになられた理由と、今後の活動の方向性を聞かせていただけますか?

吉田 : 

たくさんの理由があるのですが・・・。一番大きかったのは、日本人と結婚して日本が視野に入ってきた。

ちょうどそのころに、長く現役で踊ってはいられないので、やはり踊りをやめる前に日本のお客様の前で踊りたいなというところがあり、日本に帰ろうと思いました。


最初はベースのカンパニーがないととても難しいと思っていたのですが、今になると、やりたいことをやりたい時期に、自分でコントロールしてできるのが今の私には合っているというところに行き着いて、フリーランスを選んだのです(微笑む)。

swissinfo.ch : では、満足していらっしゃいますか?

吉田 : 

はい。ただ、日本に帰った初めの何年かは、まず日本の社会に慣れるのに苦労しました。

でも今は落ち着いて自分のやりたいことに集中できる環境ができています。

swissinfo.ch : 

長いスパンでは、いつか教える側に回るといった考えもおありですか?

吉田 : 

ええ、今でも教えることは始めています。去年もセミナーをやりましたし。

子どもたちからは逆に、私が勉強させてもらっています。

今、自分の中で何をしなくてはいけないかということで、迷いがありますが、タイミングや様子を見ながら進めたいと思っています。

日本ではバレエの人気は凄いです。それは先輩や先生方が道筋を作ってくださったお蔭です。

ただ、もう少しダンサー達が踊りだけに集中できる環境が整えられればと思い、その辺りのことを考えています。

多分ヨーロッパの(劇団、カンパニーが国立や州立のような)環境を作るのは、日本では難しいと思います。

でもアメリカのカンパニーの在り方を少し見習って、国の援助がなくてもスポンサーや基金などでお金を集めて維持する方法があるのではと、現在模索しています。

里信邦子(さとのぶ くにこ), swissinfo.ch



※ 公式ホームページのこちら   決戦の様子はこちらから→こちら

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


このインタヴューを聞けてよかったです!

わたしがちょっと感激したのは、この ↓ 

      

「中には、多少音楽に遅れてもいいから回転を終わらせてその技術を見たいという人もいるかもしれませんが、

わたしは音楽に遅れる位回っているよりは、1回ぐらい回転が減っても音楽と共に終わらせてくれないと、

見ていて気持ちが悪く感じる方です。
自分では、一つのフレーズの中で(はじめに)長めに使って動きをやり、遅れた分をその後早めて最後はきちんと合わせて、というのはやります。

それが強弱を生み出すし、見ていても面白いと思います。

機械みたいにいつもカウントで踊ってもそれは面白くないですから。

一つのフレーズの中で音楽と遊ぶような感じです。

というものです。

うわあ~~やっぱりだ~ (>_<)♡ 

そうなんですよね~ だから彼女の踊りは好きなんです!

それに、それはフィギュアの演技にもいえることだと思うんですよね。

だから、昨今のルールは 邪道 だと思うんです。

あの、音楽に関係なく「3回きっちりまわってないとダメ(減点!)」だとか、「何秒キープしてなきゃダメ」

だとかってやってたら、

どうしても音楽から外れてきてしまうこともあるだろうし、そうならないように気にしてやってると

今度は音楽に没頭できないだろうし、

ジャンプのタイミングなんて氷のコンデションとか呼吸とかにも依るのに、そのためにちょっと予定より演技が

「押して」も、そのあと規定通り「3回まわって」「3秒キープして」なんてやってるとどんどん音楽から離れてしまいますよね。

まあ、それを乗り越えられるのが、


その違和感を感じさせない演技をするのが世界のトップ選手ってことなんですけど、

今はもう、ギッチギチにやることがてんこ盛りだから、選手が「現場」で最高の間を取るのが非常に難しく

なっているのは確かだと思います。

そのため、努力や力量が追いつかなければ無味乾燥な演技で終わってしまうことになるし、

実力(体力)以上の無理をさせれば怪我にもつながるし・・・

あんまりいいことはないように思います。

そんな無粋な違和感を感じさせないような振り付けをするのも振付師の技量というか才能だともいえますが、

それをこなさなければならない選手はほんとに大変だろうと思います。

昔の演技から見ると、ほんとに今は「きゅうきゅう」ですよね。

見てる方は「濃縮ジュース」みたいでたしかに見応えはあるのかもしれませんが、

完成させる選手はたまったもんじゃないでしょう・・・

ま、

そんなことにはまったく無頓着な選手ももちろんいますけどね。

そういう選手の演技は、どんなに技術があるように見えても、わたしは興味が沸かないし、

なぜか、そういう選手にはやたら滅多らボーナス点が入るような気がするのが腑に落ちないところですけどね・・・

もちろん!

その苦労をまったく感じさせない素晴らしい選手もいます。

誰のことかはお分かりと思いますが、

そういう選手の演技に憧れて、若い選手たちがより高きを目指すことはいいことだと思います。

それにしても、今の採点システムは邪道のかたまりですね。

それにもめげない日本勢はほんと素晴らしいとしかいいようがありませんが・・・

あれ? バレエの話だったのに、なぜかフィギュアの話の方が長くなってる!  

それにしても、

フィギュアといい、バレエといい、日本人は素晴らしい快挙が続いています。

日本人はもともと感性が優れている民族なので、それに本家本元をしのぐ技術が備われば

世界最高のものを見せてくれる・・・ということでしょう。

そりゃあ、わたしを含めて、一億総日本人が努力家じゃないかもしれないけど、

そういう土壌がしっかりあるということですかね?

いや、その中でも、やはり、選ばれた人ですよね。

つまり、

これは、もう、

この領域になるともはや、

日本人としてだけではなく、「人類の進化」としての業績 であると、わたしは思うのです。

人類より優れた科学力や技術をもった生物はきっといっぱいいるかもしれないけれど、

でも、人類ほど「芸術」という一見無意味なものに価値を見出し極めている生物は他にいないんじゃないかな?

・・・などと思うわたしです。

ああ、人類でよかった。

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